なぜ映画?の続き

ではなぜ映画を使ってその辺が効果的に学べるのか、すこし例をあげて説明したほうがいいかもしれません。ぼんやりとは言ってることはわかるけど…と言う方も多いかなと思います。

  • 以前に「はじめてのお使い」状態の海外アサインメントでソビエトに滞在したことを書きました。そのときに日露の通訳さん(ロシア人)がわれわれと同行したことも書きました。。
  • とてもいい人だったのですが、いかんせん日本語能力が低い人でした。さしずめTOEICでいえば500-600程度といったところでしょうか?われらの部隊のボスである部長はそれほど英語ができませんし、取引先の上層部とのBusinessの打ち合わせをするためにも日露の通訳が必要でした。ところが例の通訳です。
  • 敬語などの使い方や、雰囲気を読んだ場に応じた日本語の使い方は到底できません。「今の彼らの説明でお分かりでしょうか?」とでも聞くべきところが、「いま、分かるか?」となります。「どうしてもこうする必要があるのでしょうか?」と問いたい場面が、「これをやるか?」となります。喧嘩うっとんか?てことになります。
  • これと同じ事が英語でもおきるわけです。実際には英語の方が敬語もふくめて、その辺の言い回しが日本語のように体系だって整理させていない分なかなか使い分けが難しいところです。もちろん経験を通して自然に習得できることなのですが、早いうちに効果的に学ぶに越したことはありません。そしてこの辺は文法書などには通り一遍のことしか書いてありません。
  • 例えば、こういう部分の習得には映画がとても効果的です。脚本家が練りに練ったシナリオを演出家が精一杯演出した俳優さんの演技です。あ〜、こういうときにはこういうか、ああいったな、というようなcontextの中での習得が自然にできます。もちろん即効性のある学習方法では無く、漢方薬みたいな物かもしれません。
  • しかしそういう風に有機的に学んだ表現は結構使えます。言い回しなどは話し相手との人間関係・上下関係・感情などいろいろな要素で有機的に決定されます。母国語ではそれを長年の経験で無意識に使い分けているわけです。その辺りは映画・ドラマが一番総合的に学ぶことができます。
  • 前に紹介したスピーキング英語辞典に載っている表現なども映画ではとても頻繁に出てきますので、あ〜こういう場面でこう使うのかなんて事もよく分かります。